Ending OK!

懐中電灯が好きなんです

Panasonic RP-HJE900

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形式 密閉型ダイナミックステレオヘッドホン
使用ユニット 直径 8.5 mm
インピーダンス 26 Ω
音圧感度 100 dB/mW
最大入力 200 mW (*IEC)
再生周波数帯域 6 〜 28,000 Hz
コードの長さ 約 1.2 m (着脱コード)
プラグの種類 ステレオミニプラグ
(直径 3.5 mm、ストレート型、24K金メッキ)
質量 約 20 g (コードを含む) 約 7 g (コードを除く)
付属品 キャリングケース1個
イヤーピース(XS・S・L各2個・Mは本体に装着)

(メーカープレスリリースより)

 

Panasonicのイヤホン。現在はラインナップが変わっているが、発売当初(2008年)は最上位機種であった。

最上位機種なだけあって、定価は2万円とかなり高い。では自分はいくらで買ったのかというと、たったの5000円である。2011年にビックカメラで処分品として売っていたのを見つけ、IYHした。当時はイヤホンにハマっていたのでこの機種の存在も知っていた。評価が芳しくないことも。

 

ジルコニアでできた本体がユニークで特徴的。ダイヤモンドの偽物と言うと聞こえは悪いが、それだけ硬くて光沢がある素材である。実際この製品も硬く、いかにも頑丈そう。本体色は黒であるが、実際に見える色は黒に近い濃い青色~群青色で光沢がある。重量感もあり、宝石のよう。一般的な樹脂製のイヤホンと比べると随分と高級感がある。外見、耐久性だけでなく音質面でもメリットがあるそうな。ジルコニアを使うことで筐体の共振を低減できるらしい。

音のバランスはかなりの高音よりである。家に帰って聴いてみると、物凄いきつい高音が鳴る。サ行は苦行になるレベルだった。高音が強いので女性ボーカルが明瞭に聞こえるが、聞こえすぎて耳障りな音。低音はそこそこ鳴る。バランスは高>>>中=低という感じだろうか。マライア・キャリーの曲などは刺さりまくっていた。しばらく鳴らしてると耳が慣れたのかエージングなのか、ちょっと高音が柔らかくなって中高音寄りになった気がするが、高音が強い点は変わらない。

解像度について。定価を考えるとかなり微妙。定価2万であるが、せいぜい1万円前後クラスの音質に感じた。AH-C710と聴き比べてみたが、音のバランスは違えどC710の方が若干細かい音を出していた。HJE900の方が平面的な音で、立体的な表現でも劣る。5000円で買って1万前後相当なら許せるが、定価で買うとかなり損した気分になるのではないか。

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さらに、コードが安っぽい。クセのつきにくい材質ではあるが、2000円程度のイヤホンのコードのようなチープさ。本体周りの部分はLRの色付けが特に安っぽい。コードが細いので断線しやすそうなのもマイナスポイント。

f:id:porcellioscaber:20160615211649j:plain上からC710、HJE900、MDR-E0931、MDR-NC033。この中だとガラケー付属品のE0931の次に安っぽいプラグ

f:id:porcellioscaber:20160615211713j:plain同価格帯のC710と比較。C710のプラグは金属製だがこっちはゴムで覆われているだけ。

装着感がイマイチなのも気になる。ジルコニアの重さがフィット感に対してマイナスに働いてしまっている。あまり耳の奥まで装着できないタイプなので重さが気になりやすく、耳の穴から抜けやすい。

色々と気になる点があるが、単純に値段の割に音が悪い。それが不人気の理由だろう。知名度も低い。特徴的な高音が好きなら一考の余地があるが、コストパフォーマンスが悪いので他の機種を選んだほうがいい。

 

 

というのが付属ケーブルで聴いたときの評価。

このイヤホンはコードの交換ができる。断線してもコードを買えばまた使える……だけではないのだ。

通常のコードに加えて、音質が向上すると謳う「ハイグレードコード」が存在する。価格はなんと4980円である。たかがコードなのに他の新品のイヤホンが買えるくらい高い。

最初は「コードごときで音が変わるはずがない」と興味はなかったが、レビューを見ると買った人が口々に音が良くなったと言っている。そうなると自分も欲求を駆り立てられて我慢できなくなってくる。こうなると買うしかない。かくして本体と同じ値段の銅線を買ってしまった。

 

ケーブルの外見だが、触り心地やプラグの品質が違い、明らかに高級感がある。付属品のケーブルが安っぽすぎることもHGケーブルの高級感を引き立てているだろう。

f:id:porcellioscaber:20160615201412j:plainイヤホン本体側。コードの直径が2倍近く違う。本体接合部の作りにも注目

f:id:porcellioscaber:20160615201525j:plainY字分岐よりジャック側の部分。こちらもHGコードの方が太い

f:id:porcellioscaber:20160615201031j:plain見た目も引き締まる

見た目がゴージャスになっても音がそのままでは意味が無い。早速音を聴いてみると、確かに音が良くなっている!一音一音が細かく聞こえるし、音の立体感も出たように感じる。特に奥行きが出て、ボーカルが綺麗に聞こえる。強めの高音が少し落ち着いて、代わりに低音の量が少し増えた。バランスは高>中=低か。交換前はC710より音が悪いイヤホンだなぁと思っていたが、交換後はC710を超えた性能を有していると感じた。定価の2万クラスの音が出ているんじゃないか。

 

残念なことに、交換後も新たに欠点ができる。まず、ケーブルが少し短い。純正品の1.2mに対してこちらは1m。自分は不便を感じていないが、人によっては20cmが明暗を分けるかもしれない。

加えて、純正に比べてイヤホンとの接合部が太いので、接合部が耳と干渉しやすくなってしまう。元々よくないと感じていた装着感がさらに悪化。

ケーブルが丈夫になるのはいいが、ちょっとクセがつきやすいのもよくない。

 

 

コード交換で化けるイヤホンである。装着感に不満はあるが、コードを交換するだけで音が変わり、音質が大きく向上する面白い製品。交換後なら2万クラスのダイナミック型として十分な実力を持っていると思う。

しかし、ここまで音が大きく変わると「なんで最初からこれを付けないんだ」と思ってしまうところ。Panasonicは音の変化を感じてもらうために付属ケーブルの品質を削りすぎてしまったのだろうか。結果ハイグレードコードの価値は相対的に高まったが、付属ケーブルで手を抜きすぎたため、このイヤホン本体の過小評価につながってしまったのだろう。もったいない。