Ending OK!

懐中電灯が好きなんです

HIS RX470 IceQ X2 Turbo

2017/03/02~03/03、BIOS更新後の挙動と消費電力に関する記述を追記・修正。f:id:porcellioscaber:20170203225316j:plain

f:id:porcellioscaber:20170203225832j:plainおまたせ、IceQしかなかったんだけどいいかな?

HD7770で過不足なし、GTX1050で十二分……そう言いつつも買ってしまったまさかのRX470。理由はとても安かったから。NTT-Xのタイムセールで5598円OFFで15980円というとんでもない値引になった結果IYH。出たばかりの製品だし、この値段で買える機会はそうそうないだろうという判断で確保した。GTX1050Tiの最安値ぐらいの価格なら、RXシリーズは絶対性能やワットパフォーマンスが微妙と言われても選ぶ意味は十分にある。
メインPCのGTX1050と取り替えようか迷ったが、GTX470が乗ったサブPCに取り付けることに決定。こいつはDVIが1つしかないので、サブPCに入れると中古デュアルモニタ環境を捨てることになるはずだったが、ちょうど注文の3日前に新たにフルHDモニタを注文し、それと交換することを決めていたので問題なかった。モニタもGPUも一新してスッキリしたい!
リファレンスクーラーなら買うか迷ったところだが、結構冷えそうなクーラーが付いている。太さ8mmのヒートパイプが3本生えていた。しかしバックプレートはない。
OCモデルであり、コアクロックが1206→1256、メモリクロックが6600→7000に上げられている。冷えそうなのでなんとかなってくれそうだ。電源は6ピンで供給する。

f:id:porcellioscaber:20170203225936j:plain太すぎるッピ!(HD7770比)

ファンは60℃以上になるまで停止、回転中に50℃を切ると自動停止する。自分の環境だとアイドル時ファン回転なしで40~50℃。ファンの仕様は固定らしく、AMDドライバの設定画面から設定しても反映されなかった。
早速、この役不足GPUを動かしてみる。とりあえずベンチマークを回してみた。基本的に1回のみ測定なので誤差は大きめです。

1. FF14ベンチマーク

f:id:porcellioscaber:20170204235934p:plain

※今回取り付けたサブPCはCPUがE3-1225(i5-2400相当)で少し性能が低いため、GTX1050の結果とは正確には比較できません。ただし、CPU性能が頭打ちになる可能性は低いのでFireStrikeのPhysics以外は大まかな比較なら可能だと思われます。
NVIDIA有利なベンチマークでも、GTX1050は6878。RX470は9043出た。パーセンテージだと1.31倍とそこまで離れていないが、なかなかである。次はもっと性能差が素直に出そうなFire Strikeを試した。

2. 3dmark Fire Strike

f:id:porcellioscaber:20170204233317j:plainPhysicsテストがある分、E3-1245ならトータルスコアはもっと高くなる

Graphicsが11875になった。GTX1050の6922に対して1.71倍開いている。Combinedも4145あり、同様に1.71倍開いた。そもそも価格帯が違うので当然なのだが、重いゲームをしない自分にとっては違いを実感する初めての瞬間だった。
ベンチマークを回している間は60℃を超え、ファンが回り出す。どうやら70℃を超えないように調整されているようだ。仕様通り50℃前後になると停止する。音はそれなりにする。うるさくはないが、回りだすと回っているのはわかる程度。
特に問題もなく無難…というのが少し使ってみた時点での感想。しかし、色々と調整をしてみたくなるのが私の性。そこで、AMDドライバの設定機能「Wattman」を使ってみた。

f:id:porcellioscaber:20170204214348j:plainWattmanはこんな画面。HD7770の時もファン・クロック設定画面は存在したが、さらに細かい設定が可能。GPUクロックとファンについて数段階のステータスを設定できる。このグラボの場合、GPUクロックは数段階設定できたがメモリクロックの設定は1つだけで固定だった。周波数のタブをクリックすると各周波数を一律で一定の割合(+-30%)上げ下げできる%設定と、周波数の絶対値を入力できるダイナミック設定がある。電圧についても、自動(BIOS設定の読み込み)、手動がある。
初期設定を見てみると、最大値が1.087Vになっていた。まだマージンがありそうなので負荷をかけつつ、どこまで下げられるか試してみた。方法は電圧を下げ、とりあえずHeavenベンチマークをかける。それで落ちないならFF14、Fire Strikeをかけて完走すれば安定していると判断。それで試行錯誤していると、0.97Vまで下げることができた。0.95だと開幕即落ち。メモリクロックについては初期設定が1Vで基準がわからなかったが、とりあえずコアクロックと同じ電圧に下げた。以降の設定も同じく、コア電圧=メモリ電圧に設定。
今回は以下の4つの条件を設けた。

  • OC+電圧定格
  • OC+電圧0.97V
  • 定格化・電圧0.93V
  • 1120MHz

なお、メモリクロックは変更できなかったので一律最大1750MHz設定。

効果を確かめるためにGPU-Zでモニタリングしながらベンチマークをしてみた。まずはHeavenから。

f:id:porcellioscaber:20170204202730j:plain左がOC、中は定格化、右が1120MHz

順位はクロックの通りになった。定格に下げてもそれほど性能は落ちなかったが、定格より下げると7%fpsが落ちた。しかし、自分の用途を考えればこれでも十分そうだ。FF14もやってみたが、定格だと8936、1120MHzだと8505に低下した。
最後にFire Strike。ここでは条件を増やし、初期設定(OC+定格電圧1.087-1.0V)も追加。同時にGPU-ZのGPU only Power Draw [W] 欄の最大値をおおよその最大消費電力として比較してみた。すると…

f:id:porcellioscaber:20170204202731j:plain左からOC+電圧定格、OC+電圧0.97V、定格化0.93V、1120MHz

一番高かったのはOCで0.97Vの設定、次にOC定格、定格、1120の順。奇妙だったのがOC同士の比較で、電圧定格は電圧0.97Vより150ほどスコアが低かった。誤差も考えて両者共に1度再計測したが、値はほとんど変わらず、順位もそのままだった。ちなみに初期設定でもファンの回転は速いが、温度は70度前後で収まっている。理由を探るため、最大消費電力を比べると…

  • OC+電圧定格:139.4W
  • OC+電圧0.97V:111W
  • 定格化・電圧0.93V:99.5W
  • 1120MHz:83.1W

となった。このグラボは6ピンで電源供給を行う。つまり、最大150Wまで供給可能なのだ。しかし、OC+電圧定格では消費電力が140W近くまで上がっており、ベンチマークの負荷で消費電力のリミッターがかかってしまい、性能が低下したのではないかと思う。電圧には個体差があるだろうからすべてのボードで起こるとは限らないが、負荷がかかりすぎた場合には、消費電力が高すぎるために性能が落ちるケースが出てくるということ。これは痛いデメリット。OCで140W食っておいて定格の100W分の性能しか出せないなど大損である。ちなみに、OC+定格電圧でFF14ベンチの記録を取ると消費電力に155Wの数字が……。ただし、これはGPU-Z上で1秒毎のログを記録させてほんの1回出る程度の値なので、実用上は全く問題ないと考えられる。
一方、クロックを下げずに電圧を0.97Vに下げた設定では111Wにとどまり、リミッターがかからずに最大性能を発揮したのだろう。電圧を0.1V下げるだけで28W省電力しつつ、性能まで微増となれば、是非やるべきだと思う。FF14ベンチのスコアも微増。

f:id:porcellioscaber:20170204202729j:plain

なお、電圧が高いことについてはこのボードに限ったことではなく、OCの有無にかかわらず大抵のRX470・480では1.1V近い電圧が盛られているようだ。マージンを乗せるのは当然だが、ちょっと乗せ過ぎで損してるんじゃないか?AMD

電圧設定により、省電力化の予想以上の効果と共に、このボードのデメリットが見えた。冷却能力にはまだ余力がありそうだが、GPU-Zの消費電力を信じる限り、電源には余裕がなさそうだ。チューニングをせずに使いたいのであれば、8ピンを搭載したより高いモデルを買うべきだろう。OCモデルであっても、そこからさらに0.1V削減できたのは意外だった。28W低減は非常に大きい。加えてファンも静かになる。3dmark中の最大回転数は、

  • OC+電圧定格:52%、2290rpm
  • OC+電圧0.97V:49%、1925rpm
  • 定格化・電圧0.93V:42%、1561rpm
  • 1120MHz:40%、1409rpm

と、どれも温度は65℃くらいだが回転数はかなり違う。耳で聴いてもわかるほど。f:id:porcellioscaber:20170205094328j:plain定格+0.93V設定

f:id:porcellioscaber:20170204202728j:plaineco設定(1120MHzに下げた)

残念なことに、現在スリープモードから復帰すると画面がブラックアウトする不具合に悩まされている。スリープしなければ安定しているので低電圧化が原因ではないと思う。考えられるのは、ドライバのバージョン(non-WHQLの17.1.1を使ってしまった)や、マザーボードが古い(P67 Pro3)こと。最近メジャーアップデートしたばかりのドライバはもちろん、マザーに関してはグラフィックカードの互換性を上げるアップデートを適用していなかったので怪しい。次に実家に行ける機会は1ヶ月後なのでしばらくかかってしまうが、その時はさらに検証してみたいところ。
追記:P67 Pro3のBIOSをV3.30に更新すると改善された。更新前はIvy未対応の古いBIOSを使っていた。

ファンはうるさくないしちゃんと冷えているのだが、電源供給が他のOCモデルにある8ピンではなく6ピンに抑えられているのが難点。高負荷のゲームで遊ぶ場合、150Wの制限のために定格電圧では力を出しきれず、性能が低下してしまうことが考えられる。冷却性能は申し分ないだけに残念である。そういう意味ではあまり遊べないグラフィックボードなので、「OCモデルだけどもっとOCしたい!」という血の気の多い人は赤い悪魔でも買えばいいんじゃないかなぁと思う。
しかし、自分の使い方では特に上のデメリットを気にする必要はなさそう。RX470をフルロードするような重いゲームはしないので、定格で使い続けたとしても問題ないだろう。低電圧化を行うことで、消費電力を抑えつつ、性能まで高められるのでおすすめ。性能が有り余っているのならば、クロックを下げてさらなる低電圧化を行い、数%の性能低下で高負荷時の消費電力を50W近く削減できる。この設定ならワットパフォーマンスはかなり高いのではないだろうか。OCモデルをアンダークロックするという、意図されていた使い方とは真逆の使い方になってしまったが、自分は大満足。電源供給の不安から、22000円なら他のモデルを検討すべきだと思うが、16000円なら言いたい文句も言えなくなってくる。

後に検証してみたが、メモリ電圧は0.8Vでも問題なく動きそう。ただし、それほどメモリ低電圧化の効果はないかもしれない。定格化・コア0.925V+メモリ0.8V固定で消費電力は98.8Wだった。定格化・電圧0.93Vの結果が99.5Wだったので、誤差+コア電圧を僅かに下げたことによる変化にしか感じられなかった。今回の結果だけドライバを17.2.1に更新して測定したが、結果に影響が出るほどではないと思う。

f:id:porcellioscaber:20170303125351j:plainスコアが少し上がっているが誤差の範囲だろう

f:id:porcellioscaber:20170204232847p:plain

ASICは微妙なライン。7770もこれくらい

補足:Wattmanの設定には不具合(仕様?)があり、メモリ電圧が初期設定のままだと、コアクロックを下げても勝手に電圧が上昇してしまう現象を確認した。上記の1120MHz設定+メモリ初期設定だと電圧が勝手に1V付近まで上昇し、108.9Wも消費してしまった。具体的にどんな条件で起こるかはわからないが、設定するときは一緒にメモリクロックも下げる必要がありそうだ。今のところ、メモリ電圧をコア電圧より高くすると、コア電圧にもメモリ電圧が適用されて消費電力が増大すると考えている。これももう少し調べる必要がありそう。